日本のチョコレート市場|消費量は1人2.2kg、メーカー4社で6割の寡占市場
日本人は、1年間にどれくらいチョコレートを食べているのでしょうか。
答えは1人あたり約2.2kg。板チョコに換算すると、およそ40枚分です。多いように感じるかもしれませんが、世界の消費量ランキングで1位のスイスは約10kg——日本はその5分の1程度にすぎません。
この記事では、日本のチョコレート市場を市場規模・消費量の推移・メーカーのシェア・季節性という4つの角度から数字で見ていきます。
日本のチョコレート市場規模
| 指標 | 金額 |
|---|---|
| チョコレート製品の生産額(2020年) | 約3,870億円 |
| 小売市場の推計(調査会社・2025年) | 約57億ドル |
生産額ベースで4,000億円弱、小売段階まで含めた推計では1兆円に近い規模——という理解が実態に近いでしょう。いずれにせよ、日本の菓子市場の中でも最大級のカテゴリーです。
消費量は増え続けている
| 年 | 1人あたり年間消費量 |
|---|---|
| 2009年 | 約1.74kg |
| 2019年 | 約2.19kg |
10年間で約500g増えました。板チョコ約9枚分の増加です。人口が減っている国で1人あたりの消費が伸びているのは、それ自体が注目すべき動きと言えます。
なぜ日本人はチョコを食べるようになったのか
- 高カカオチョコの普及 — 「体によい」というイメージが定着し、菓子から健康食品的な位置づけへ広がった。カカオ70%以上の商品が定番化したのは大きい
- コンビニの高価格帯商品 — 200〜400円台の「ちょっと贅沢なチョコ」が棚に並ぶようになった
- 「自分へのご褒美」需要 — 誰かに贈るためではなく、自分のために買う消費が伸びている
- 小容量・個包装化 — 一度に食べきれる量にすることで、日常的な購入につながった
ポイントは、増えたのが「量」ではなく「単価」でもあるという点です。安いチョコをたくさん食べるようになったのではなく、より高いチョコを日常的に買うようになったという変化が起きています。
メーカー別のシェア
| メーカー | 代表的なチョコレート商品 |
|---|---|
| 明治 | ミルクチョコレート、チョコレート効果、きのこの山/たけのこの里、アポロ |
| ロッテ | ガーナ、クランキー、パイの実、トッポ |
| 江崎グリコ | ポッキー、アーモンドチョコレート、バンホーテン |
| 森永製菓 | ミルクチョコレート、ダース、小枝、チョコボール |
このほか、アルフォートのブルボン、ルックの不二家、カレ・ド・ショコラの森永製菓など、ロングセラーを持つメーカーが市場を支えています。
明治が高カカオ市場を開いた
特筆すべきは、「チョコレート効果」に代表される高カカオ商品の存在です。「おいしいから食べる」から「体のために食べる」へという新しい購買動機を作り出し、市場そのものを広げました。
この流れは高カカオチョコレートというカテゴリーを定着させ、各社が追随する結果につながっています。
季節性 — 冬に売れて、夏に売れない
チョコレート市場の大きな特徴が、極端な季節変動です。
- ピークは1〜2月 — バレンタイン需要。年間の売上を左右する一大商戦
- 秋〜冬が好調 — 涼しくなると口どけがよく、需要が戻る
- 夏は落ち込む — 溶けるため流通も販売も難しい。店頭から姿を消す商品もある
各社は夏向けに溶けにくい配合の商品や、冷やして食べる商品を投入するなど、この谷を埋める工夫を続けています。「夏でも売れるチョコ」は、業界の長年の課題です。
いま市場で起きていること
① カカオ高騰による値上げ
カカオの国際相場が歴史的に高騰したことを受け、主要メーカーは相次いで価格を改定しました。板チョコが100円前後から140円台へ——という変化は、多くの人が実感しているところでしょう。
値上げは価格だけでなく、内容量の調整や配合の見直しという形でも表れています。
② 高付加価値化
単価の上昇を受け入れてもらうため、産地を明記した商品や製法にこだわった商品が増えています。「安さ」で勝負しにくくなった分、価値で選ばせる方向へ動いています。
③ 健康志向の深化
高カカオに加え、糖質を抑えた商品、乳製品を使わない商品など、選択肢が広がっています。カカオポリフェノールへの関心も継続しています。
④ 原料の持続可能性
カカオ産地の児童労働や森林減少への対応が、国際的に求められています。認証カカオの調達や産地支援を公表するメーカーが増えており、「どこの豆を、どう買っているか」が問われる時代になりつつあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 日本のチョコレート消費量は世界で何位ですか?
A. 1人あたりで見ると上位には入りません。1位のスイスが約10kgなのに対し、日本は約2.2kg。ヨーロッパ諸国が上位を占める構造については世界のチョコレート消費量ランキングで解説しています。
Q. 日本のチョコレートの原料はどこから来ていますか?
A. カカオ豆はほぼ全量が輸入で、ガーナ産の比率が高いことで知られています。「カカオといえばガーナ」という日本人の印象は、この輸入構造に由来します。ただし世界の生産量1位はガーナではありません。
Q. なぜ日本のチョコは海外より甘いと言われるのですか?
A. ミルクチョコレートが主流で、カカオ分が比較的低い商品が多いためです。ただし高カカオ市場の拡大により、この構図は変わりつつあります。
Q. 市場は今後も伸びますか?
A. 調査会社の予測では緩やかな成長が見込まれています。人口減少という下押し要因はあるものの、単価の上昇と高付加価値化が金額ベースの市場を支えるという見方です。
まとめ
- 日本のチョコレート生産額は約3,870億円(2020年)。小売ベースの推計ではさらに大きい。数字は「何を測っているか」で変わる
- 1人あたり消費量は2009年 約1.74kg → 2019年 約2.19kgと10年で約500g増加。ただしスイス(約10kg)の5分の1程度
- 伸びた理由は高カカオの普及・コンビニの高価格帯商品・自分へのご褒美需要。量より単価が上がった
- 明治・ロッテ・江崎グリコ・森永製菓の4社で売上の6割超という寡占市場
- 1〜2月がピーク、夏は溶けるため落ち込むという極端な季節変動を持つ
- 現在はカカオ高騰による値上げと高付加価値化・健康志向・持続可能性が同時に進行している
※市場規模・消費量は各種統計および調査会社の公表値に基づきます。調査主体や集計年により数値は異なります。
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